アキバ博士の食農教室「農の知恵」

タケノコはいつ竹になるの?

タケノコはいつ竹になるの?

皮が全部落ちた時さ

 気持ちのいい春になってきたね~。近くの竹林にかわいいタケノコが出てきたよ。これがあの硬い竹になるなんて驚きだね! タケノコはいつ竹になるのかな?

 タケノコが、軟らかくておいしいタケノコでいられるのは、土から出てきてわずかな期間なんだ。土から頭を出すか出さないかの時が、一番の食べごろさ。それ以上たつと、タケノコは急に背を伸ばしながら、煮ても食べられないくらい身を硬くして、竹になっていくんだ。

 タケノコって、産毛が生えた皮が何枚も重なって、すっぽりと包まれているよね。皮には、イノシシやキツネなどの動物に食べられないように、タケノコを守る役割があるよ。

 実はあの皮が、タケノコと竹を分ける境界線なんだ。背が伸びるにつれて、皮は一枚一枚、自然とはがれ落ちて、すべて落ちるときには、竹になっているんだ。皮が全部落ちるのにかかる時間がだいたい30日。皮をかぶっているのがタケノコで、皮が完全に取れたのが竹って覚えるといいね。タケノコはまさに“脱皮”して竹になるというわけさ。

 タケノコの背が伸びる勢いはすごい。一般に出回っているモウソウチクという種類は、なんと1日に約1メートルも伸びることがあるよ。人間だったら考えられないね!

 それだけじゃない。タケノコは増える勢いもすごいんだ。特に雨が降った後なんかは、出てきやすいんだよ。雨上がりの竹林では、きっとたくさんのタケノコに出合えるはずだよ。

 この竹の繁殖力は、葉で光合成してつくった栄養分をすべて、次の世代であるタケノコづくりに費やすからなんだ。モウソウチクの場合、4、5月に出てきたタケノコは、ものすごい勢いで成長して竹になった後、6月には伸びを止め、11月には地面の下で竹を支える地下茎の成長もやめてしまう。そして、つくった栄養分を成長には使わず、地下茎にためこんでおくよ。次の春には地下茎の節から、タケノコが待ってましたとばかりに出てくるんだ。

 ほうっておくと、どんどん面積を増やす竹林は、山の生命バランスを崩すとして、実は今、問題になっているほどだよ。

                       

(取材協力=日本特用林産振興会)