アキバ博士の食農教室「食の知恵と文化」

ブドウに付く白い粉は何?

ブドウを守るブルーム
(C)こぐれ けんじろう・画

水分蒸発を防ぐんだ

 ブドウが旬を迎えているね。僕はこの前、果樹園でブドウ狩りに挑戦してきたよ。たわわに実を付けた房をはさみで切って、その場で1粒パクリと食べると、口の中に甘い香りが広がって、おいしかったなあ。新鮮なブドウの粒の表面をよく見ると白い粉が付いているね。この粉は何だろう。何か役割があるのかな。

 白い粉は、果実に含まれる脂質から作られたろうが表面に出てきたものだよ。ブルームとか果粉とか呼ばれていて、ブドウの病気を予防し、鮮度を保つ働きがあるのさ。

 果実の表面のブルームは、雨や朝露などの水分をはじいて、果実の病気を防いでくれるんだ。また、果実から水分が蒸発するのを防ぎ、新鮮さを保つ働きもあるよ。ブルームは水に溶けず変化しにくいので、温度や湿度など環境の変化から果実を守っているんだ。ブルームが多いブドウと少ないブドウを比べると、少ない方が粒割れが多いことも分かっているよ。

 ブルームを農薬だと勘違いする人がいるけれど、そうじゃないんだ。ブルームがたくさん付いていても安心して食べられるよ。むしろ、果実が新鮮かどうかの目安になるのさ。ブドウ農家は、白い粉を落とさないように丁寧に収穫して、出荷しているよ。「ナイヤガラ」などの白色系にも、見えにくいけれどブルームはちゃんと付いているんだ。

 ブルームはブドウだけじゃなくて、ブルーベリーやスモモ、リンゴなどの果実のほか、ブロッコリーなどの野菜にも付いているよ。

 キュウリはもともとブルームが付く野菜なんだけど、最近店頭に並んでいるキュウリには、ほとんど付いていないよ。ブルームを農薬と勘違いする消費者が多かったので、ブルームが付かないように品種改良されたんだよ。

 

(取材協力=果樹研究所)